まもれシモキタ!行政訴訟の会

メンバー紹介



2016年5月21日
下北沢・開発見直し和解勝利記念パーティー
120名の参加で成功裏に終了

5月21日に北沢タウンホールスカイサロンで「下北沢・開発見直し和解勝利記念パーティー」を開催しました。当初予定された80名の規模を大きく超え、120名の参加で盛会のうちに終えることが出来ました。



原田学原告団団長の開会の辞についで、今回の和解についての法的意義について斉藤驍弁護団長と森近薫弁護士から解説。福川裕一先生からは下北沢の今後の在りようを示した「福川意見書」と裁判所の和解案および世田谷区の意思表明との対応関係について報告を頂きました。参加された園部逸夫元最高裁長官代行や六車明慶応大学教授(元裁判官)からは、行政訴訟での今回の和解についての新しさの評価や行政訴訟での和解の重要性についてのコメントがありした。

また、出席はかなわなかったものの、島田仁郎前最高裁長官から、「下北沢再開発見直し訴訟において、見事満足な和解となりました由、誠におめでたく、心からお慶び申し上げます。」との祝辞が届いたとの紹介がなされました。

さらに加えて、この集会には保坂区長が若いころに原告当事者として取り組んだ内申書訴訟の弁護団長である中川明さんも参加されていることが紹介されました。

経済学者の宇沢弘文先生の長女占部まりさんも参加され、故宇沢先生が下北沢の問題についていつも気にかけていたことが語られ、また、今回の意見書作成に参加した服部圭郎明治学院大教授や都市プランナーの稲垣道子さん、またバルセロナモデルを最初に日本に紹介した岡部明子東大大学院工学研究科教授からの発言や、小栗幸夫千葉商科大教授の脱スピード社会に向けての取り組みのお話も頂きました。ジャーナリストとしては一連の小田急連立事業関連訴訟について継続して取り上げてきた毎日新聞「エコノミスト」誌の編集長であった西和久氏から一連の訴訟への思いが語られました。斎藤貴男さんからは、NTT株売却の国の犯罪を取材してゆく中で小田急線連立事業にも導入されたNTT-A資金問題にたどり着き、斉藤驍弁護団長のもとに取材に行った際のエピソードが語られました。

さらに、運動や街の人々からのインタビュー等、詳細なフィールドワークを行い、「共生の都市社会学ー下北沢再開発問題の中で考える」と題した研究書を3月に上梓した東京大学助教の三浦林平さんからの発言も頂きました。



政治家としては落合貴之民進党代議士、大河原まさこ元参議院議員、里吉ゆみ共産党都議、西崎光子生活者ネット都議、中里光夫共産党区議、高城訓子共産党区議、阿部力也「減税世田谷」区議の参加をいただき、多くの議員から発言も頂きました。

また小田急線連続立体交差事業として先行した経堂地区の原告団や今回の和解方式の先例ともなっていた杉並の三井グランド訴訟の原告団からご挨拶をいただくことが出来ました。

原告からは小熊英二慶大教授、下平憲治セイブ・ザ・下北沢代表が発言をし、同じく原告の大木雄高「下北沢商業者協議会」代表からは挨拶に続き乾杯の音頭を取っていただきました。

下北沢に事務所を構えている石本伸晃弁護士からは地元の運動を支える観点からの発言があり、サポート会員で建築家の下井佑宜子さんからは小田急線跡地についての公共利用に向けてのご意見がありました。

当日は予定が重なり参加はできませんでしたが、保坂展人区長からは今回の和解を踏まえ、「私も区長として下北沢の魅力をもっと引き出せるよう、職員とともに『参加と協働』でまちづくりに真剣に取組んでいく。」とする趣旨のメーセージが寄せられ、拍手をもって迎えられました。

会場メインステージの上には「下北沢・和解から協働へ」との言葉が掲げられ、ジンタらムータの大熊ワタルさんとこぐれみわぞうさん、および事務局の志田歩の音楽で盛り上げていただきました。



経堂地区の原告団が1994年に政府交渉をする際に当時の亀井静香運輸大臣との面会を取り持っていただいた縁で、評論家の西部邁さんのサプライズ参加もあり、ご発言をいただきました。これまでの小田急線連続立体交差事業見直しの運動の層の厚さを示す一例となったのではないでしょうか。

この会を閉じるに当たって、弁護団の堂野尚志弁護士からは、小田急の訴訟は細川政権の時代に巨大公共事業の情報公開の和解を日本で最初に勝ちとり、今回、行政の施策の中身に踏み込んだ和解を勝ち取ったのですから、これを活かして都市計画を変え、再開発の本格的見直しにむけた行動を開始して、保坂区政をはじめとする行政の転換を実現しよう。その意味で保坂区長を応援していこうとの挨拶がなされました。

なお、今回のパーティーは案内送付から3週間という短期間に手作りで仕上げたパーティーでした。天野さんや山崎さんを初めスタッフを買って出て下さった原告の皆さん、また経堂地区の小田急訴訟の方々や三井グランド訴訟の方々のご協力によって開催することが出来ましたことに感謝申し上げます。

和解が実現することとなった3月30日の公開法廷で、私たち下北沢行政訴訟の原告団は「今後,意思表明の内容が実現するよう運動と行動に取り組む」と表明しました。今回の記念パーティーの成功は、その出発点となったといえるでしょう。